雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

タクシーについて mohno氏からの指摘

id:mohno氏からいただいたトラバが反映されていないようなので。わたしが一貫して主張したことは、流し営業のタクシーを共有地の悲劇に喩えるのは不適切だし、乗務員の待遇向上を目的とした需給調整は導入すべきではないということだ。一連の議論を通じて、料金規制については、利用者の混乱を招かないよう配慮が必要であることは分かった。

運賃についてはどうか。「ほとんどのタクシーは、規制上限運賃で営業している」という指摘をしたら、なぜか「値下げは許可制だ」という意味のわからない返され方をしたのだけれど、上限まで撤廃してしまったら白タクの合法化みたいになるんじゃないだろうか。

確かに流しのタクシーについては、上限運賃を撤廃すると混乱するだろう。流し営業のタクシーで規制上限運賃に張り付くことにも、充分な経済合理性がある。目の前を走っているタクシーを捕まえるのって、飛び込みでホテルに入るようなもので、いちばん高い料金を請求されても仕方がない。
但し流し営業であっても、下限運賃を設定する必要はあるのだろうか。自主的な経営努力で運賃を下げようという事業者に対し、他の事業者が妨害することは如何なものか。価格破壊を試みる事業者が労働基準の面で問題を抱えているのであれば、あくまで運賃ではなく労働基準について取り締まるべきではないか。*1また、一時的な価格破壊で寡占的なシェアを獲得した後に値上げを試みることは独占禁止法で取り締まるべきだろう。
また流し営業ではなく、利用者が依頼先を選択できる予約配車に限って、相対運賃やオークションの導入は考えられるのではないか。

ちなみに、繁華街で終電後のタクシー需要が高いということであれば、長距離タクシーの値下げを考えるより、電車・バスの最終運行時間を遅らせてはどうかという提案があってもよいとは思う。

個人的には終電を1〜2時間くらい遅らせてくれると嬉しいんだけれど睡眠時間が減りそうだし、それで逆に飲食店の営業時間も影響されて結局はいたちごっことなるかも知れない。あとバスはともかく電車の終電時刻って、どういう制約条件で決まっているのかが気になる。単に乗務員とかの勤務時間の問題か、保守点検の都合とかもあるのだろうか。

*1:業界が運賃を通じた業界秩序の維持を望む背景として、タクシー運賃と労働基準とで監督官庁が異なること、労働基準監督署の是正勧告が強制力に欠けること、充分な取り締まりが行われるとは限らないこと等が考えられる