雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

テレビや新聞のどこがネットより民主的なのか

日本の民主主義が貧困なのは、戦争に負けても新聞統制の影響を引きずったままテレビにまで敷衍したことにあるんじゃないか。恐らく明治大正の日本には、もっと多様な言論があった。電波利権を論難する池田信夫氏や、痴漢事件で社会的地位を失った植草一秀氏が自由に情報発信でき、政治家が強引な司会に遮られることもなく長文を発表でき、かかる多様な言論に対する罵詈雑言も簡単に参照できるネットは、未成熟ながらもテレビや新聞よりずっと民主的だ。

だからこそ、瀕死の事態に直面している新聞やローカル放送をはじめとして苦境に喘ぐマスメディアの再生は、日本の将来のために不可欠です。マスメディアが衰退してネットが主流になっては、まだ日本に完全には根付いていない民主主義やジャーナリズムがいよいよ今まで以上に廃れるだけです。

まあ世の中には媒体による意見の分断もあって、はてブとかだけでニュースを拾っていると流れを見誤るから、毎朝電車で日経新聞を読み、文藝春秋とか中央公論には目を通す。活字は50代以上の意見、2ちゃんねるはてなは30代くらいの意見、さらに下の世代がどう自己を表出しているか分からない俺は歳を取ったなと思う。これはメディアの移行期には必ず起こることで、テレビもかつて大宅荘一に一億総白痴化などと揶揄された。
かんぽの宿」騒動へのネットの反応について、何が岸氏の逆鱗に触れたのかは定かではないが、新聞やローカル放送は何か多面的な報道をしたのだろうか。ネットでの議論が一面的だったとすれば、それは報道も影響しているのだろう。ネットなら誰だって情報を発信でき、岸氏もこうやって影響力のある媒体で意志表明されている訳で、何がご不満なのかさっぱり理解できない。
満員電車で新聞をめくるの面倒だし、総合雑誌は重くかさばるし、地方紙はその地域じゃないと買えず不便なので、ネットじゃマイノリティな傾向の媒体もコンテンツを早くデジタル化していただきたい。ネットブックじゃ電車で読めないから、日本でもKindleのような電子ブックが出ないかなあ。青空文庫が丸ごとプレインストールされて、新聞朝刊やビジネス誌、総合雑誌、文芸誌を丸ごとワイヤレス経由でダウンロード購入できたら即買いなんだけどさ。