雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

2007-01-01から1年間の記事一覧

未来志向でヒトを大切にする情報サービス産業こそ日本を強くする

ファイナンスを含む広義の情報サービス産業が,産業競争力を左右することは論を俟たない.僕が「明日がなくても構わない」と考えている狭義の情報サービス産業とは,重層的な下請け構造でプログラマに考えることを許さず,エンジニアは慢性的な残業で技術を…

誤謬の連鎖

ネットワークから足を洗って7年くらい経つんで,間違いがあったらスマソ.しかし,すげー違和感のある記事.あれれ?普通BGPってAS間の経路制御に使うもので,AS内の経路制御ではIGPであるOSPFなりIS-ISを使ってるんじゃないかと思うけど違うのかな.まさか…

SaaSで加速する情報産業の空洞化

インフラただ乗り論について,トラヒックの大半はP2Pでストリーミングの流量なんて知れていると信じていたのだが,最近そうでもないらしい.情報が公開されていないので伝聞になるが,日米間の海底ケーブル回線でピーク時にはトラヒックの過半をYoutubeが消…

個人のチカラと産業の役割

それにしても生産性って不思議な言葉だ.開発生産性は個人によって数百倍もの生産性格差がある.収束できないところまでコードにバグを埋め込んでプロジェクトを駄目にしてしまうプログラマもいることを考えると,マイナスの可能性まで考えると100倍どころで…

情報サービス産業に明日がなくても構わない

情報サービス産業に対しては,人月単価ベースのビジネスモデルがいけない,エンジニアを使い捨てている,高い単価でオフショアとどう戦うのか,とかいろいろなことがいわれているし,どっかに活路がないものかなとここ数年いろいろ調べたりもしたのだけれど…

再定義可能な貨幣と,人間にとっての価値

今日は久々に遅くまで会社に残り,帰りがけの電車で昨日買った『iPodは何を変えたのか?』を読み進めたのだが,池田先生が書いているように,交友関係のひけらかしばかりでなかなか本題に入らないので痺れを切らし,昼休みに紀伊国屋で買った『計算不可能性を…

堕落した日本のわたし

一昨日だか義母の三回忌で坊さんの説教を聞いたら,昭和20年から日本は駄目になってしまった,戦争に負けて骨抜きにされて精神文化を軽んずるようになったと力説された.今朝テレビをつけたらワイドショーで藤原正彦が国柄とか武士道とか昭和の歌謡曲の持つ…

嘘をつく理由

すごく本質的な批判を孕むトラバをいただいた.全くご指摘の通りだ.まあ物心ついた子供のつく嘘なんて,ものを壊した壊してないとか,投げた投げてないとか,喧嘩で先に手を出したか否かとか他愛もないもので,政治的正しさや差別の入り込む余地は少ないが…

下流志向の私

最近「何をやりたいの」とか聞かれるとさっぱり答えられない.今やっている仕事にそこそこ満足しているが,あと20年とか30年も続けることではない気がする.これまで何となく興味を持てることを探して,転職も社内異動も自分から能動的にこなしてきたけれど…

官僚の前例主義よりも,素人の言いっ放しが性質悪い

教育再生会議が,親学なる提言を出してくるらしい.学んで直ることなら警察も児童相談所もいらない訳で,それって美しい国かもなぁとか妄想してみる. まあ有識者というとそういうことになるのだろうが,功成り名を遂げた年寄りと,教育関係者しかいない.さ…

物書きへの途

今日はまったりと馬事公苑のツタヤで,『蜂起には至らず(新左翼死人列伝) (講談社文庫)』の樺美智子と高橋和巳を拾い読みし,石田衣良の『美丘』を読み,にわか雨の前に帰宅して昨日紀伊国屋で買った瀬戸内晴美の『蜜と毒 (講談社文庫)』と河内孝の『新聞社―…

情報大航海は大山鳴動して鼠一匹

ベールに包まれていた情報大航海プロジェクトについて,徐々に情報が出始めている.当初のGoogle対抗とかいう勇ましい掛け声はどこへやら,苦労の跡の窺える内容だ.

都知事選いくけどさ

これから選挙に行くんだけど,外山恒一の政見放送しかみていない.石原都政も二期目はイマイチだったし,対立候補は多すぎてよく分からない.

RimoはYoutubeよりもテレビ局を刺激する

Rimoをひとめみて,これはやられたと思った.Youtubeってカウチポテトできないから駄目じゃんと思っていた私からすると,Rimoは実に魅力的なサービスだ.Wiiを持ってないので試していないが,Wiiリモコンで操作できるのもいい. Wiiリモコンを使った動画ザッ…

若き日の信条

土曜日は学部のゼミでお世話になった鈴木芳徳先生の最終講義に出た.「経済学と私―ケインズの方法的態度と経済学」と題し『若き日の信条』以降のケインズが限定合理性とか将来期待の概念を大きく取り入れた背景にヴィトゲンシュタインとの交遊や,ピエロ・ス…

残業代ゼロに怯えるマスコミ記者たち

【訂正】id:t2-news氏やid:R30氏のはてブコメントにあるように「自分の残業代が惜しいからでは」という指摘は下衆の勘繰りであったようだ.何故ならマスコミも裁量労働制・見做し残業代の対象業種だから.いわれてみれば管理職になって給料が減ったという愚…

『日露戦争 - 勝利のあとの誤算』

以前から漠然と戦前の日本が調子を外したのは日露戦争以降ではないかと考えていたのだが,その通りのタイトルの親書をみつけて早速手に取った.本書で扱っているのは日比谷焼打事件へ至る新聞報道の過熱,民衆を煽る新聞記事に対する政府の発行停止処分や戒…

"Open Business Models"

"Open Innovation: The New Imperative for Creating and Profiting from Technology"の続編.オープンなビジネスというと,オープンソース系のプロジェクトとか周辺ビジネスの事例を手放しに称賛し「これが時代の流れですよ」的な本が多く,足元の商売では…

iPhoneの割り切りと次の一手

ユーザー体験を軸にニュースを探していた私にとって,CES期間中で一番の衝撃は皮肉なことに同時期に開催されたMac World ExpoでのiPhoneの発表だった.iPod以来Appleはデバイスからユーザーに分かりにくい機能は全て省き,連携するパソコン側に持たせる戦略…

禁断の木の実を食べた家電業界

今年のCESはつまらなかった.ディスプレイ系でSHARPの108インチ液晶やSONYの有機ELパネルなど,諸々新しいデバイスは出ていたしホームネットワーク花盛りだったが,そろそろ"Device isn't matter"というか飽きた.これらは確かに着実な進化ではあるが,新し…

三度目の正直となるか,情報通信省に望むこと

無駄なタライ回しや縄張争い,似たような研究会の乱立が減るだろうから,ICT政策の担当部局を一元化することには大賛成なのだが,コンテンツ産業や日本製携帯電話機の国際競争力強化に繋がるかというと,注視する必要がある. 例えば携帯電話機メーカーの悲…

『コモンズとインセンティブの狭間で―著作権保護期間延長の功罪』

更新しました.SD×はてなをはじめた頃はアクセス数が伸びず悩んでいたのですが,徐々にブックマークしてもらうようになっているようですね.嬉しいです.最近はGoogleといい著作権保護期間延長問題といい,若干はてな村の関心に話題が寄っていることも関係し…

FPDチキンレースの成算は

松下が国内に月産100万台のプラズマパネル新工場をつくるという.上場企業が投資する以上は色々と理屈付けされているにせよ,結局シャープの液晶事業と張り合ってるようにもみえる.どちらも4000億円規模の事業で,プラズマの将来に対するアナリストの悲観的…

公僕が牙を剥くとき

本書は耐震偽造事件で会社を失ったイーホームズ 藤田社長による手記である.とてもリアルだったので半日で一気に読んだ.本書には役人が行政の無謬性を堅持し,出口のない問題の露呈を回避すべく,偽のシナリオで問題の幕引きを図るためにスケープゴートを陥…

逃げ出さないための希望

米国企業にいると自社に都合のいい政策提言を役所に取りあえず投げてみるというのは当たり前の仕事だし,逆に向こうから御用聞きにやってくるのが鬱陶しいくらいで,山口氏のエントリを読んで,そうか日本には商人の「分」なる美徳があったのかと新鮮だった…

誰が次世代テレビを制するのか

中島氏がユーザーエクスペリエンスをサーバーではなくテレビ本体に持たせる点について批判しているが,テレビ局とテレビセットメーカーと電話屋で決めれば,こういうアーキテクチャになるに決まっている.テレビ局はネットからのリビング参入を排除し今の電…

Playstation 3は何処へ向かうのか

年末たまたま会社の近くでヨドバシがPlaystation 3の60GBを売っているのをみつけて買った.PS3を買ったら無性にHDMI端子を持ったフルHDな薄型テレビが欲しくなり,SONYの40インチのを買った.で,ゲームは買わず,この正月は無償ダウンロードの「グランツー…