雑種路線でいこう

ぼちぼち再開しようか

2008-01-01から1年間の記事一覧

人生のいつ起業するか問題

大学に入った頃は卒業までに1000万円貯めて起業するつもりだった。まだ株式会社に資本金規制があった時代のこと。二年近く自営コンサルをやったが、背伸びしても小さな仕事しかできないと観念してベンチャーに入社。仕事の傍ら他のスタートアップを手伝った…

朝日新聞がストビュー問題を6段抜きで紹介

今朝の朝日新聞が29面Media Timesでストリートビューを「路上から見た画像、ネット上に―無断撮影 公表に波紋」と大きく取り上げている。高木浩光氏や池田信夫氏などのコメントを取り上げ、概ねネットでの論点を網羅し、私道を撮影された大阪北摂霊園や、先行…

今は誰がなっても同じか

今朝の新聞やテレビじゃ概ね「また投げ出し」と否定的な反応。選挙が近いと身構える動きもあるが、このグダグダを引きずったまま解散総選挙をやることに与党内には抵抗もあろう。国会がねじれる中、国民もメディアも陶酔できる見世物を求めている限り、真面…

ワーキング・プアと失われた「養成」

ひとを育てる余裕がないという話を聞くと、昔はもっと貧しかったんじゃないかと不思議なのである。雇う方も雇われる方も昔と前提が違うのだろう。絶対的な経済水準よりも成長率の問題か。若者に機会を与えるには、市場が成長して椅子が増えるか、古い椅子か…

ニッポンのSIが置かれている隘路と展望

まあ別に給与水準が下がれば転職すればいいし、それが産業のダイナミズムって気もするんだけど。ニッポンのSI業界が置かれている隘路って1990年代以降オープン化でハードの利鞘を稼げなくなったところに、開発生産性の劇的な向上と技術サイクルの短期化で生…

ブログ的不安と矜持

毎日RSSリーダーで数百件の記事を読む。そのうちいくつかに反応してブログエントリを書くんだけど、そんなことばかり続けていて大丈夫かと不安になる。結局のところブログってフローの情報で、条件反射的に書く自分のブログもまたフローの漠とした印象論でし…

福田首相は腹を括った政治家だった

カメラ映えしないが立派で無欲な政治家なのだろう。何週間かは決断を引き延ばせたにも関わらず国会を開く前に辞任を決断したことは、非常に潔く引き際を心得ていたようにみえる。投げ出しとも取れるが、隘路を打開できないまま政権にしがみつくよりはマシで…

ローゼン閣下は状況を甘受するのだろうか

仮に次の首相がローゼン閣下になれば、中国寄りだった福田首相よりは日米関係を重視するだろうし、確か一族で病院を経営していることもあって医療問題にも造詣が深いだろう。小泉首相と比べて、安倍、福田と良くいえば玄人受けする政策を丁寧に張った気もす…

プログラミング・ファースト開発は日本の情報サービス産業を救う銀の弾丸か

プログラミング・ファースト開発というと新しげに聞こえるけど、パッケージソフトの世界じゃ普通だよね。例えばWindowsとか多くのパッケージ製品に、SIに於ける厳密な意味での詳細設計書があるかは疑問。LinuxやApacheも然りでしょ。「全部内製で、自分たち…

プログラミング教育が機能しない背景

大学の情報教育には様々な課題があるけれど、ひとつに学部レベルからカリキュラムに対して教授自治が強すぎることがある。スキルの積み上げで講義内容を高度化するには、米国並みに基礎講座の標準化を進めなきゃ駄目だ。それができない理由は諸々あるが、大…

製造業派遣と労災との関係

そもそも労働者派遣法がポジティブリストだった時代の職種と比べて製造業の労災が多いことは容易に想像できることで、製造業派遣を解禁してから派遣労働者に占める労災が増えたかではなく、製造業正規雇用と製造業派遣労働とで労災に遭う比率に差があるかを…

魔法は優れた技術の追憶かも知れず

リアルな空間にタグをつけて撮影を妨げる様を想像して「それって何て結界」とか考える。コマンドって呪文だし、ストビューに対するタグによる結界とか、本当に意味のある「おまじない」が増えてくるのかな。もし昔の迷信が、実際そういった符号を解釈する系…

群れるリトルブラザーの近未来

近未来の地図サービスではストカーによる巡回だけでなく、デジカメ写真や自動車のカメラ映像のアップロードを受け付けて三次元空間に合成する。デジカメにはGPSと地磁気センサーが載ってGEOタグを付与し、カーナビは常時接続でオプトイン形式で地図サービス…

環境が解くことができるのは歩留まりではなくミスマッチ

クリエイターでも何でも日本じゃ何とか道と囃し、まるで一本道の先頭に功成し名を遂げた方々が列を成してるように見えるんだが、そういう世界観ってどうかな。そういう見方をすれば歩留まりって発想になるが、どうだろ。西尾氏がみている世界って、もっと豊…

文化とCGMの陥穽、ブログエントリの歴史性

休日の時間を持て余していると、ついPCへ向かってマイミクの日記やらtwitterやらRSSリーダーの未読エントリやらホッテントリを読み終え、いま読むべきものはないかと不機嫌になり。平日は仕事メール、個人メールと並行して、もっと数の多いエントリを消化し…

WaiWai騒動後に想像力を働かせる時期

WaiWai事件について相変わらず燃料が投下され続けていることに驚きを感じるが、はしゃぎっ放しで大丈夫だろうか。いまは沈黙を守っているマスコミが、いずれネット叩きの格好の材料とするかも知れず。自主調査の不備を指摘する淡々とした調査には驚嘆したが…

払いたい奴だけが追加で私的録音録画補償金を払うってどう?

今日とある家電メーカーの方と話していて思いついたこと。補償金については追加でカネを払ってでも自由に複製したい人、どうせ複製しないから払いたくない人がいるのと、権利者サイドで規模全体を拡大したい!って意見がある訳だが、結局のところどっちが正…

通信プラットフォームの安全な解放へ向けて

先週は九州大学での特別講義の後に休暇を取って、熊本でゆっくりしていたかったんだが、木曜に通信プラットフォーム研究会が予定されていたので福岡から戻って早々に参加した。結構マスコミが来ていたのに記事にはならなかったが、高木氏が様子を伝えている。…

プライバシーを巡る論考

プライバシーって分からないんだよ。6年前に北京の清華大学を訪ねたらトイレに扉がなかった。あまりに気になって大きい方は遠慮したんだけどさ。小さい方は世界中で扉がない訳で、大きい方だって最初から扉がなければ気にならないのかも。今どうなっているか…

日経IT-PLUSに寄稿しました

どうも青少年ネット規制法で、ネット規制の議論が一巡したと誤解されている方が少なからずいらっしゃるようなので、これから具体的な検討が進むんだよ、という内容で寄稿しました。 「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する…

geek虎の穴をつくろう

今回の集中講義は予想以上の成功だった。だがid:shi3zのいうように、真のトップノッチを育成するには大学院といわず早ければ小学校高学年くらい、遅くとも学部生の段階で引っ張り上げて視野の広がる機会を提供し、実際いくつかのプロジェクトに関わらせ、大…

政治力のなさを嘆く前に

高齢者の雇用延長が若年失業を生んでいるのは一面の真実だが、それは必ずしも選挙を通じての直接的な政治力の行使によってではないだろう。公約等を調べれば分かるが、若年失業について高齢者を擁護する方向で何らかの政治力が働いてはいない。特に政治力が…

的外れなこともいってくれ。それだけじゃ終わらせない

シアトルから成田について、福岡に向かう飛行機の待合室。帰国早々ブログをチェックしたら何だかid:shi3zから呼ばれている。明日からの授業は実験的な取り組みだから、成功するかどうかなんて分からないよ。ただ、彼らは僕やid:shi3zのブログを読んでいるよ…

いい学校、いい会社に入る意味と、自分の頭で考えることの重要性

学歴社会への批判って自分は中学の新聞部から十八番だったから、正直そろそろ卒業しろよとも思う。数多あるアクセスには受験勉強中の生徒や、就職活動中の学生さんもいるかも知れないし、僕やダンコーガイの煽り記事を読んで勘違いされては困る。だから眠れ…

書いて歌って

先日珍しくテレビをみていたら李香蘭の話をやっており、満州のことは『甘粕正彦 乱心の曠野』を読んで以来、気になっていたので思わず見入ってしまった。頭の中じゃ歴史上の人物だったんで、矍鑠と李香蘭=山口淑子本人が出演していたことに驚いた。その番組…

若者のIT離れを防ぐべく何をすべきか

日経IT Proが興味深いアンケートを行っている。若者のIT業界離れについてグラフを読むと「あまり感じていない」「全く感じていない」が計54%を占めている。悪循環を断ち切るなら、こういったポジティブな面にも着目すべきだ。また、ひとことにIT離れといって…

米国にも親指族?

昨晩はPacific PlaceのTodaiで晩飯を食った後に地下のBNに寄ったら、気になる表紙の本があるので買ってみた。日本でもひところ親指族と話題になったが、筆者は米国でのケータイ世代の子たちとをGeneration Textと呼んで論じている。そういえばSeattle Downto…

女。京大生からはそうみえているのか

いつも鋭いなぁと思って読んでたのに、切実なことになると意外と陳腐な意見に驚いた。SFCで起業家タイプってネットバブル時代ですか(遠い目。最近のカイシャってそういうひと求めてたんでしたっけ。前のめりに即戦力とか能動性といっても、組織で受け入れ態…

脱学校の社会へ向けて

今の学校ってどうしてこうなんだっけ?という件については『天下之記者―「奇人」山田一郎とその時代 (文春新書)』がお勧め。東大設立を巡る紆余曲折がよく書かれているのと、主人公である山田一郎の、帝大卒の超エリートで早稲田の創立者であるにも関わらず…

日雇い派遣の禁止はポピュリズムか

今夜ホテルの前にあるシネコンで"Step Brothers"をみた。40前のNEETを抱える男女が再婚し、義兄弟となった二人が居場所のために両親のリタイアを妨害する?みたいな話。どこの国にもNEETみたいのっているんだろうけれど政治問題になるのは日欧で、これは雇用…